| 2009/11/02 |
 |
|
【第99回】アメリカの鏡・日本
|
NHK番組「きょうの料理」は1957年(昭和32年)11月にスタートし、今年で52年目を迎える
長寿番組です。興味深いのは、目安となる料理材料の量がスタート時5人分だったものが、1965年(昭和40年)に4人分に変更され、今年2009年(平成21年)3月30日放送分からは2人分に変更されたことです。家計調査(総務省)では、夫婦と子ども2人の合計4人で構成される世帯のうち、有業者が世帯主1人だけの世帯を「標準世帯」と定義しています。第二次大戦後の日本における住宅やその付帯設備である電力・給湯設備、そして冷蔵庫の大きさや車のサイズなど、いろいろなものが標準世帯を基準にして企画され、作られてきました。現在では、きょうの料理の例のように世帯人員の減少(2.55人)が進行しています(世帯数は4796万世帯と大幅に増加中)。内訳を見ると、単独世帯と夫婦のみ世帯の比率が高まっています。この変化に合わせて、企業も行政も新しいサービス形態や商品を次々に生み出していかなくてはならないと考えています。更に最近は、同居していないにもかかわらず近居してまるで一つの大家族のように生活や消費面で支えあうケースも出現し、日本総合機構で(インビジブルファミリー)と名付けました。
話は飛びますが、戦後、住宅公団が初めて公営住宅を設計しようとした時、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が公営住宅の面積を34.65㎡以下とする指示を出しました。これは、日本の軍国主義を生んだ元凶は封建的な家督制度が原因と見たGHQが、家督相続を法律上も実質的にも無くそうと考えたためです。これだけ狭い住宅ならば生める子どもの数はせいぜい2~3人で、戦前のような大家族は考えられないとの見込みでした。このように何十年か経ってハッタと膝を打つような政策を立案実施するとは悔しいですが凄いと認めざるを得ません。そして今、このくびきから抜け出して新しい国造りのパラダイムを根っ子から組み立てる時が来ているのだと思います。
さて、60年前、アメリカで出版されたものの、日本ではマッカーサーによる日本語での翻訳出版不許可となった本があります。江戸時代末期から敗戦にいたる92年間の日本の生き様と原因を、グローバルな観点で鋭く公平に語る内容は衝撃的であり、日本と日本人について熟考する必要のある今こそ読まれるべき良書だと思い推薦します。
<参考書籍>
抄訳版「アメリカの鏡・日本」
ヘレン・ミアーズ著、伊藤延司訳 角川oneテーマ21
|
■■■PROFILE■■■
野口 禎一郎(のぐち ていいちろう)
ビジネス心理科教授。商学修士。
担当科目/経営学入門、現代企業概論、インターンシップ、キャリア開発、流行論、アパレル商品論、販売の心理、など。
専門分野/流通戦略論
(株)伊勢丹、ジャスコ(株)を経て(株)ブルーグラス代表取締役社長、イオン(株)執行役を歴任後、本学に。
|
|