| 2009/10/19 |
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【第97回】さよなら
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テレビのスポーツ番組でキャスターが、選手やチームに対して「活躍を期待したいです」と言うことがあります。この言葉を聞くたびに、私は違和感を覚えます。「期待する」気持ちは自ずと沸いてくるものであって、「したい」という意図を伴うものではありません。キャスターが言いたいことを想像すると、「活躍を期待します」と「活躍してもらいたいと思います」が、まぜこぜになったのでしょう。
また選手がインタビューを受けたとき、ファンに対して「応援、よろしくお願いします」ということがあります。「応援していただくよう、お願いします」「ご支援を賜りたく、お願い申し上げます」といった内容を言いたかったのでしょう。しかし使い慣れていない言葉なので、伝統的な表現から外れてしまったようです。この場合は単に「応援してください」で充分でしょう。
前述の言葉を聞くと、変に言葉を飾ろうとして失敗した結果、気持ちがこもっていないように感じられます。言いたいことを煎じ詰めれば、簡潔な表現が思い浮かぶでしょう。それを素直に言ってくれれば伝わるのに……。
私は入学試験で、面接を担当することがあります。受験生の中には、この質問を受けたらこう答えよう、という準備をして、丸暗記した台詞を棒読みする人がいます。熱心に準備をしてくれたことには、好感を持ちます。しかしもう少し自分の言葉に気持ちをこめて語ってくれると、なお良いと思います。使い慣れた簡潔な言葉を使って話してくれる方が、本当の気持ちが伝わります。
さて、本欄を私が担当するのは、今回が最後となります。
卒業生の皆さん、関係者の皆さん、ありがとうございました。
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■■■PROFILE■■■
池田 善英(いけだ よしひで)
ビジネス心理科 准教授。文学修士。
担当科目/心理学概論
専門分野/社会心理学。
主な著書/「こころの科学」アートアンドブレーン。
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