| 2009/09/14 |
 |
|
【第92回】小論文の書き方1 好奇心を働かせる
|
教員は授業の中で学生に、短い文章を書かせることがあります。出来上がった文章は、とても興味深いものもあれば、残念ながら所定の欄を埋めてすらいないものもあります。文章を書けない学生の話を聞くと、「書くべきことが思い浮かばない」と言います。それは普段、好奇心の働かせ方が少ないからだと、私は考えます。
このような学生にも好奇心はあります。学生は恋愛やファッションについてなら、一日中でも話し続けられるようです。ダイエットも学生の好奇心が向く話題で、ある方法を試してみて、良かったところ、悪かったところを、あれこれと話しているのを、耳にします。しゃべった内容を文章に置き換えれば、たちまち2000字=原稿用紙5枚程度にはなりそうです。
「ダイエットだからしゃべれるのであって、授業の話題は別だ」という反論がありそうです。しかしダイエットをしてウェストが細くなったとしても、栄養のバランスが悪くて肌が荒れることがあるでしょう。ダイエットを成功させるには、栄養学の知識が必要なはずです。ダイエットを入口として栄養学を学べば、授業が実生活に役立つとともに、授業で述べるべきことも増えるでしょう。
他の学問領域でも同じです。日常生活で経験する現象と授業で紹介する知見とを、全く切り離している学生が見受けられます。なるほど現象と知見との間には、距離が感じられるのでしょう。皆さんには現象を見て「なぜだろう」と、知見を聞いて「どういうことだろう」と、ほんの少し考えてもらいたいのです。好奇心を少し働かせることで、現象と知見とが結びつきます。その結果、文章に書くべきことがたくさん生じるのです。
|
■■■PROFILE■■■
池田 善英(いけだ よしひで)
ビジネス心理科 准教授。文学修士。
担当科目/心理学概論
専門分野/社会心理学。
主な著書/「こころの科学」アートアンドブレーン。
|
|