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2009/03/17
【第76回】原丈人さんの提唱する公益資本主義の道


1月に、たまたま聞くことの出来たベンチャーキャピタリスト、原丈人さん(プロフィールは【こちら】をご参照ください)の講演は、まさに衝撃的なものでした。彼は、米国の強欲資本主義(金融資本主義)の論理(株主至上主義)とその弱点、限界を明らかにし、21世紀は英米人を中心とするアングロサクソンの論理を逆手にとって、アングロサクソンを越え・従えて、日本が世界を舞台に大活躍する公益資本主義の時代にすると豪語されている。

IT時代、コンピュータ時代は終わった、ポストコンピュータ時代を切り開くのだと、パソコンを使いやすいコミュニケーションツールへと180度の変身をさせる技術開発のために世界中を駆け回り、彼の考えに合致するテクノロジーを持つ学者を発掘し、会社を立ち上げ、事業化し、IBMやオラクルに会社を売却するといったベンチャーキャピタリストの業務を実行中である。
0メガ(ブロードバンド)の通信回線容量を必要とするハイビジョン映像の伝送を、わずか25分の1の800K(ナローバンド)で伝送可能な「XVD」という独自の技術を開発。この技術では、テクノロジーを研究している科学者をロシアで発見、20人のグループメンバーを米国に移住させ、会社は政治的に中立なアイルランドに設立。ハイビジョンの伝送には、大きな中継車が必要とされているが、この「XVD」では、5Kgとリュックサックに収まり、機動性も抜群。XVDの技術は、NHKのみならず米国の3大ネットワーク、ABC、CBS、NBCでも使用されている。
早速XVDの技術は、疾病と貧困に悩むバングラディッシュの救済のために利用されている。このバングラディッシュの救済では、マイクロクレジットの手法でノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行のグループ会社であるグラミングループと「ブラックネット」を立ち上げ、インターネットを武器に、農村部の教育、医療の向上を目指し、着々と成果を挙げている。

アジアに一つの拠点が出来つつあるので、これからは、アフリカ(多分、政権が比較的安定しているボツワナ)、中南米に、それぞれ1カ国ずつ成功例を作り上げ、貧困から抜け出しつつ、経済成長を実現させるために、公益資本主義を実現させるのだと豪語している。
具体的には、事業化の際、NGOと合弁会社を設立、配当を行うとNGOはそっくりそのまま自分たちの事業の遂行につかえるという利点がある(配当には税金がかからず、ピンはねされず、全部NGOの事業に使用できる)。
国と話をつけるためには、国連のフェローになって活躍するとか、日本の産業構造の脱コンピュータ時代向けに転換を促すため日本の政府諸機関の委員の一員となるとか、本当に気概のみならず、その行動力には、まったく感服。

原丈人さんは、慶応大学卒業後、考古学に取り組んだものの、資金の必要からスタンフォード大学ビジネススクールに入学、お金を稼ぐには、自らの手で機材を作る必要を感じ、工学部に入学。光ファイバーを使った機器で特許を取得し、ディズニーへの売込みに成功、関連ビジネスで次第に財をなし、以降ベンチャーキャピタリストの道を歩んでいる。
原丈人さん紹介のホームページとしては、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」で4回の対談を紹介している。これまでの半生については、著書「21世紀の国富論」1470円、平凡社刊で詳しく知ることが出来る。

「ほぼ日刊イトイ新聞」のリンク先は、次の通りです。読みやすく、面白いので、ぜひ一度ご覧になることをお奨めします。

●ほぼ日刊イトイ新聞
●原丈人さん対談 【第一部】【鉄道模型とテレビ電話の話】【第二部】【第三部

 


■■■PROFILE■■■
松井陽通(まつい きよみち)
ビジネス心理科教授。商学修士。
担当科目/消費者の心理、広告コミュニケーション論、情報メディア論など。
専門分野/広告論、消費者行動論、広報論。
(株)博報堂、茨城大学人文学部を経て本学に。

 
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