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2008/12/22
【第69回】<経営学と技術革新>
~ 技術の流れを理解し、変化の方向を読む ~


上のタイトルをご覧になって理工系の分野ではないかと思われた方も多いのではないでしょうか。しかし、現代企業において技術は、マネジメントの重要な対象の一つです。例えば次のような問いに対する答えを考えてみてください。
•「なぜ、Intelはここまで興隆したのか?」
•「なぜ、日本の半導体産業は、長期の低迷から抜け出せないのか?」
•「CDやDVDの規格はどうして何種類も乱立してしまったのか?」
•「ネット企業で後発のGoogleがYahooを凌駕できたのはなぜか?」
•「遺伝子組換え技術は、今後、産業分野でどのように活用されていくのか?」

これらはすべて、経営に技術が深く関わる事例です。文理の領域を棲み分けて物事を考える伝統的な思考方法では、的確な答えを見出すことはできません。文理融合の思考と発想が求められます。

かつて技術が未発達な時代には、企業にとって他社の真似をして同じものを造り、同じサービスをするのは容易でした。このため技術力が問われることはほとんどありませんでした。しかし、技術が複雑化、高度化した現代では、企業を経営していく上で技術が関与するウェイトが著しく大きくなっています。つまり技術を経営上の重要要素として認識することが不可欠です。特に科学との距離が近い産業分(半導体・デバイス、ソフトウェア、バイオテクノロジー、医薬品、航空宇宙、ロボットなど)では技術革新が激しく、それに伴い企業経営上、克服すべき課題が次々と出現しています。

冒頭のような疑問に対する答えを見出すには、技術経営の視点に基づいた事例研究が端緒となります。過去の成功事例、失敗事例を丹念に分析することにより、将来へ向けた様々な示唆が得られます。各々の事例は一見違ったことのように見えても、詳細に調べるとその多くに共通する要因や概念が見出せることもあります。「事例研究を通じて技術の全体的な流れを俯瞰し、変化の節目を読む。」これは大変難しいことですが、経営学を学ぶ皆さんにこそ必要なことです。
また、このような視点を有していると、将来活躍の場が広がります。是非に「技術」の分かるビジネスパーソンを目指して欲しいものです。

 


■■■PROFILE■■■
宮澤俊憲(みやざわ としのり)
ビジネス心理科准教授。博士(工学)。
担当科目/ビジネス・コンピューティング、コンピュータ・ネットワーク演習、統計処理演習など。
専門分野/統計データ解析、モデル同定法、技術経営論。

 
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