| 2008/09/24 |
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【第59回】「分かりやすさ」と「可愛さ」、「面白さ」が、販売成功のカギ
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2008年7月の国内向け家庭用エアコンの総出荷台数は、日本冷凍空調工業会発表によると、157万2,831台、前年同月比で60.3%増の大幅な伸び。
大幅増の原因は、昨年7月は全国的に梅雨が長引いたが、今年は熱中症続発の猛烈な暑さのため。年間出荷台数は700万台前後で推移しており、その4分の1弱が1ヶ月ではけるとは、大変なもの。
アサヒビールのシェア10%切れ間近から、麒麟麦酒を追い越して、シェアトップに躍り出たとき、20世紀におけるマーケティング活動成功の驚異とまで言われました。
ところが、21世紀に入って、またまたマーケティング活動成功の驚異があったのです。4~5%といった低いシェアに長年甘んじていたエアコンメーカーが、本格的に家庭用エアコン市場に取り組み、20年以上も家庭用エアコンの首位を走っていた松下電器のシェアを追い越し1位に躍り出たのです。
それは、業務用空調機器では日本一、いまや欧州でもエアコンを売りまくっているダイキンです。
「ナショナル店の会」という強力な全国的な小売販売網を持つ松下電器の販売量を、上回ることは容易なことではありません。
ダイキンの成功は、湿度の高い梅雨時も、カラカラに空気の乾燥する冬場も、快適湿度を実現する「うるるとさらら」の愛称を持つ高機能エアコンの開発を成功させたからです。湿度を取ることは簡単ですが、カラカラの室内に湿度を取り込むことは容易ではありません。しかも、簡単なシステムで、安く。
2年半ほどで、商品は開発され、快適湿度の実現機能を分かりやすく表現する「うるるとさらら」のネーミングが、大成功の1因でした。
しかし、シェア獲得に勢いがつくのは、除去されたり、取り込まれたり人間の都合でいいように扱われる「湿度」をイメージさせるキャラクター「ぴちょんくん」がテレビCMに登場することで、一気に売れる商品となり、シェアナンバー1を実現させたのです。
優れた性能・機能を持つ商品の力、他社品との違いが分かりやすい「ネーミング」、思わず同情したくなる可愛い「キャラクター」のテレビCMなどが、シェアナンバー1をもたらしたのです。主題歌は、CD化され、幼稚園児の愛唱歌となり、キャラクターグッズは大人気商品へ。
でも、陰に隠れている業務用空調機で築いていた工事業者との好ましい関係、全国の家電量販店の1店舗1店舗をこまめに歩いて回った販売部長の地道な努力も、忘れることは出来ません。
日本は、本当に豊かな国になりました。ネーミングで、キャラクターで、子どもの指名で、20~30万円するエアコンが購入される時代になったのです。あくまでも商品力が基本ですが、分かりやすいネーミング、可愛いキャラクターは、面白いテレビCMは、大きなマーケティングパワーを持っているのです。
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■■■PROFILE■■■
松井陽通(まつい きよみち)
ビジネス心理科教授。商学修士。
担当科目/消費者の心理、広告コミュニケーション論、情報メディア論など。
専門分野/広告論、消費者行動論、広報論。
(株)博報堂、茨城大学人文学部を経て本学に。
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