| 2008/08/18 |
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【第54回】技術経営論の系譜
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前回(第46回)の担当記事では、「技術経営論を学ぶことの魅力」についての話をしましたが、技術経営論はいつごろどこで誕生したのでしょうか。答えは1970年代のアメリカです。その後、世界各国に拡がり今日に至っています。社会科学の中ではかなり新しい学問分野の一つになります。英語では、Management of Technology(略してMOT)と呼んでいます。
1970年代以降、先進国では技術革新が急速に進展し、人々の生活は以前と比べて大きく変化しました。技術力を基盤にした、今までには存在しなかった製品やサービスの巨大市場が出現し、社会の仕組み自体も変わり始めました。この流れは現在まで続き、昨今、変化のスピードが加速しています。
また、それと同時に技術力が、産業や個別企業の競争力は勿論のこと、国の競争力も決定づけるようになってきたのです。このように技術と社会が不可分の関係になるとともに、科学・技術を社会科学、特に経営学や経済学の枠組みの中で明示的に取り上げ、研究対象とする必要が生じてきました。その結果、技術経営論という分野が少しずつ形作られて、現在に至っています。
技術経営論には、2つの系譜があります。
一つは、経営学系でビジネススクールの経営戦略論から現れたものです。企業を経営する上で、全社的な観点から技術を戦略的に位置づけていくアプローチです。上位層からのマネジメントといってもよいでしょう。他方は工学系で、経営工学の領域で扱われる研究開発のプロジェクト管理に端を発しています。研究開発・技術開発の現場レベルにおける問題解決と管理のための方法論を指向するアプローチです。
両者は次第に接近して、最近では融合・連携が進み、明確な区別のつかないものになっています。
現在、技術経営論の領域で研究されている主な内容には、以下のものがあります。
①企業の技術戦略と製品開発、技術マーケティング
②科学・技術・市場の構造分析
③技術価値評価、技術・市場予測
④研究開発組織と人材育成
⑤産業競争力の国際比較
⑥科学技術政策、産学連携、大学からの技術移転
⑦知的財産と特許戦略、技術の軌道分析、規格と標準化
⑧ベンチャー育成とビジネスモデル
⑨(主として科学技術に関する)文献計量学
⑩データ分析手法の開発とコンピュータシミュレーション
このような研究に携わる人々は、大学人、企業の管理職や技術者、政府関係者など多岐にわたっています。現在、様々な研究成果が出てきており、今後の発展が期待されるところです。
私の次回の担当(10月初旬を予定)では、イノベーションのタイプについてお話しする予定です。
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■■■PROFILE■■■
宮澤俊憲(みやざわ としのり)
ビジネス心理科准教授。博士(工学)。
担当科目/ビジネス・コンピューティング、コンピュータ・ネットワーク演習、統計処理演習など。
専門分野/統計データ解析、モデル同定法、技術経営論。
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