| 2008/06/23 |
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【第47回】江戸しぐさ(思草)
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“商人道「江戸しぐさ」の知恵袋”という本を読みました。江戸しぐさとは江戸商人のリーダーたちの考え方、生き方、口のきき方、表情から身のこなし方など、その美意識や感性すべてを包含し体系化した商人道ともいうべき生活哲学のことだそうです。
18世紀100万人を超える住民を抱え世界有数の大都市であった江戸は、言葉も習慣も異なる人々が全国から集まった異文化のるつぼでした。当然おこるあつれきやトラブルを未然に防ぎ、人々が安心して楽しく暮らせるように、様々な手立てを工夫しました。その一つが「江戸しぐさ」です。目つきや表情、話し方や身のこなしによって、思い(心)を表現する方法です。江戸しぐさを身につけるため、江戸商人の稚児たちの寺子屋でのトレーニングは、「読み書きソロバン」だけではなく、将来、人を使う身に必要な「見る、聞く、話す」に主眼が置かれました。江戸しぐさの究極は人物鑑定力、人物観察力、洞察力を見につけることが最重要項目だったからです。そのためのチェック項目は800項目(一説には8,000項目)もあったそうです。
例えば、雨の日に傘を差した者がすれ違う時は、双方が傘を外側に傾けてしずくが相手に掛からないように気を付ける(傘かしげ)。舟で後から客が乗り込んで来れば、先客の皆が両拳(こぶし)を座席に当てて腰を浮かせ、横に詰めて席を作った(こぶし腰浮かせ)等、です。極めつけは、次の四つです。
①肩書きを気にしない。②時泥棒をしない(不意の訪問や遅刻厳禁)。③目の前の人を仏の化身と思う(相手をかけがえのないものと見る)。④遊び心を持っている。
・・・いま世の中に蔓延しているカタカナ言葉は、時々上っ面の理解に終わってしまい実践につながらないことがあります。温故知新、(江戸しぐさ)を学び(平成しぐさ)を一緒に考えて行きましょう。・・・キャリア開発科目の中のビジネスマナーの時間で。
【参考資料】
「商人道(江戸しぐさ)の知恵袋」越川禮子・講談社+α新書
「江戸時代」深谷克己・岩波ジュニア新書
「日本はなぜ諍いの多い国になったのか」森真一・中公新書ラクレ
「身ぶりとしぐさの人類学・身体がしめす社会の記憶」野村雅一・中公新書
「からだ・演劇・教育」竹内敏晴・岩波新書
■■■PROFILE■■■
野口禎一郎(のぐち ていいちろう)
ビジネス心理科教授。商学修士。
担当科目/経営学入門、現代企業概論、インターンシップ、キャリア開発、流行論、アパレル商品論、販売の心理、など。
専門分野/流通戦略論
(株)伊勢丹、ジャスコ(株)を経て(株)ブルーグラス代表取締役社長、イオン(株)執行役を歴任後、本学に。
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