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2008/03/06
【第37回】快適な住まいの基本設計に役立つ


biz_037 1990年頃、私はまだ当時企業に在籍していました。マーケティング・ディレクターと呼ばれる職能で、住宅企業から「共働き家族に喜んで住んで頂けるような戸建ての家を設計したい」という研究課題が与えられました。

男女雇用機会均等法が施行され共働きのカップルが増えてきた頃でしたが、やがて出産、育児、職場復帰というケースが増えるだろうと、理想的な共働き家族の住まいと暮らしぶりを予測し描くことにしました。

比較研究の方法をとり、東京・ニューヨーク・ロンドンに住む「夫も妻もフルタイムで働き、子どもがいる家族」の暮らしぶりを、100家族ずつ合計300家族の朝起きてから寝るまでを、いろいろな角度から分析しました。ライフスタイル比較研究です。この研究結果は新聞にも公表され注目されました。およそ次のような内容でした。

ニューヨーク・ロンドンの共働き家族において、男性が夫・父親・地域社会人・職業人としてバランス良く役割を果たしているのに対し、東京では職業人・企業人の性格が強く、家庭・地域社会での存在感は薄い。
教育観において、ニューヨーク・ロンドンでは次世代の教育は家庭・地域社会・学校の分担協力と考えるのに対し、東京では、教育は学校や塾に依存する母子家庭的な体質を残しており、その違いは著しい。


この比較研究には、心理学とマーケティングの知識がいっぱい活用されました。研究成果のひとつは「夫は妻の家事に協力するのではなく、家事を分担する」ということでした。設計図では、キッチンとダイニング・ルームを絶妙に結んだことから、とても好評な家が出来ました。

最近、卒業生とのおしゃべりのなかに「日本の男性が優しくなった。」ことが話題にのぼりました。本当だと嬉しいですね。「強くて優しい」ともっといいですね。

■■■PROFILE■■■
松坂(まつざか)たかよし
ビジネス心理科教授。ビジネス心理科長。
担当科目/マーケティング・ベーシック、マーケット・リサーチ、異文化コミュニケーションなど。
専門分野/マーケティング・コミュニケーション、ブランド戦略。
(株)電通のマーケティング・ディレクター、ロンドン支局長を経て本学に。
日本マーケティング協会(JMA)会員
The Foreign Correspondent’s’ Club of Japan(FCCJ)会員

 
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