東京成徳短期大学 TOKYO SEITOKU COLLEGE Mind・Children・Communication
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2008/02/28
【第36回】エッセー「心に残る文章」


biz036 ■~森鷗外「妄想」~
小学校、中学校、高校と過ごしてきた皆さんは、それぞれの時代にどんなことを目指してきましたか?
良い小学生、良い中学生、そして良い高校生…ではないでしょうか。
たぶん、これからも、良い短大生、良い職業人、良い父親、良い母親を目指し、その役割を担っていくのだと思います。
このようなことに関して森鷗外は、次のように述べています。

…生まれてから今日まで、自分は何をしているか。始終何物かに策(むち)うたれ駆(か)られているように学問ということにあくせくしている。(略)勉強する子どもから、勉強する学校生徒、勉強する官吏、勉強する留学生というのが、皆その役である。(略)舞台監督の鞭(むち)を背中に受けて、役から役を勤め続けている。この役が即ち生だとは考えられない。背後にある或物が真の生ではあるまいかと思われる。しかしその或る物は目を醒(さ)まそうと思いながら、又してはうとうととして眠ってしまう。
(「妄想」より)

鷗外は内側にある本当の自分というものに自覚的であり、つねに自身を見つめていました。だからこそ、社会で背負っている様々な役割に真摯に立ち向かって行くことができたのです。
社会に出て、何もかも忙しくなる前に、自分をじっくりと見つめ直してみませんか。そうしたことができるまたとない機会が短大生活だと思います。
自分自身を見据えることによって、与えられた一瞬を充実させ、満足した時間を過ごすことができるようになれば、どんな場合でも満足した人生を送ることができる筈だと確信します。
皆さんと一緒に、一瞬、一瞬を大切にした学園生活を過ごしたいと思っています。

■■■PROFILE■■■
田中真理子(たなか まりこ)
ビジネス心理科 准教授。文学修士。
担当科目 日本語表現法 プレゼンテーション論 プレゼンテーション演習A ビジネス表現トレーニングなど。
専門分野 日本文学における表現研究 
主な著書 『別離・一路』『金子みすゞの世界』『斎藤茂吉』など。

 
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