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2007/06/05
アイザック・アシモフ著『わたしはロボット』(東京創元社)
富田真紀子先生(ビジネス心理科)


 『ロボット』と聞いたときに、みなさんは何を想像するでしょうか?
鉄腕アトム?ガンダム?ASIMO?AIBO?それとも、幼い時に遊んだ、おもちゃのロボットでしょうか?
 考えてみると、日本人とロボットというのは、とてもつながりが深いのかもしれません。
 そんな『ロボット』の歴史に、大きな影響を与えたと言われているのが、このアイザック・アシモフの「わたしはロボット」です。
 本作にはロボット工学の三原則として
「第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない
-『ロボット工学ハンドブック』、第五十六版、西暦二〇五八年」
(アイザック・アシモフ 小尾芙佐訳(2004)「われはロボット」 早川書房 より)
 この三原則は、その後のロボット工学や、ロボットを題材とした作品に大きな影響を与えたといわれています。
 最近、「アイ、ロボット」というタイトルで映画化もされたので、映画を観た人も多いのではないでしょうか。(ただ、この映画は、アシモフの作品にインスパイアされたものではありますが、厳密には同じ内容ではありません。)
 物語は、記者がロボット心理学者スーザン・キャルヴィンにインタビューをし、彼女がこれまで関わってきた印象的な『ロボット』の話をする、と言った形で進んでいきます。
 ロボットが出てくる未来の話・・・ということ、アシモフがSF作家の第一人者であることなどから、推理小説が好きな私としては「この作品はSFなんだ」と思い、長年読むことをしていなかったのですが、ひょんなことからアシモフの推理小説を何作か読み、すっかりファンになってしまい、本作も読むことにしたのです。
 読んでみると、さすが推理小説家としても有名なアシモフです。本作はロボットを題材としたSF小説の代表作に分類されるものでありながら、推理小説の謎解きの一面を持っています。
 本作に出てくるロボットは、「ロボットを支配しているつもりが、いつの間にかロボットが反抗心を持ち、反乱を起こす」というようなありきたりの展開ではありません。登場するロボットたちは、基本的には前述のロボット三原則を忠実に守っているのです。
 でも、ロボットは三原則に忠実なあまりに、私たち人間ができるような状況に応じた融通をきかせることができないことがあります。そのために、人間が発した命令の仕方によっては、ロボットは思いもかけない行動をとりだし、人間たちは「ロボットがわけのわからないことをやりだした!」と慌て、対策を練ることになるのです。
 そこに、なぜロボットがそのような行動をとったのか、それをとめるにはどうしたらいいのか、という謎が読者に与えられます。このミステリを解く鍵は、ロボットに与えられた言葉、ロボットが置かれた環境、そして『ロボット三原則』です。
 ロボットの行動の謎に頭を悩ませながらも、わかってみると「あーなるほど!」と感心するとともに、この作品が1940年代頃に発表された作品であることに驚きを感じます。
 みなさんも、この名作SFを味わうとともに、アシモフの仕掛けた謎解きを楽しんでみませんか?
 本作に登場するロボットの一人「ロビイ」が子守用ロボットとして販売されたのが、1996年という設定ですが、まだまだ現実にはそのようなロボットは誕生しませんね。


<図書館の所蔵>
『わたしはロボット』アイザック・アシモフ著 
(933||Ash/1階書架(低層)文庫コーナー)

 
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